クレジットカードでの取引について、過払い請求が認められるでしょうか。一般的には、過払い金は金利の高い消費者金融の取引について発生するというイメージがあり、クレジットカードの取引は過払い請求の対象外であると思われているかもしれません。しかし、クレジットカードの取引であっても、利息制限法の上限を超えた利息の支払いがあれば過払い金が発生する可能性があり、返還請求は認められます。
では、どのような取引について認められるのかといいますと、会社によって違います。よくあるのが、リボ払いの取引については法定の上限利率を超えていないけれども、翌月一括払い(マンスリークリア方式)の取引については利率が上限を超えているというケースです。
このような場合に、過払い金の計算方法が争いとなることがあります。クレジットカード会社は、翌月一括払いの取引には過払い金充当合意が存在しないものとして、消滅時効の主張をすることがあります。一回払い取引については、1つの借り入れに対して、元金とこれに対する利息を弁済するという、個別具体的な1個の借入れと返済が対応していることが予定されている取引であることを理由として、過払い金充当合意の存在を否定するのです。
なぜ、「1つの借り入れに対して、元金とこれに対する利息を弁済するという、個別具体的な1個の借入れと返済が対応していること」が、過払い金充当合意の存在を否定する理由になるのかというと、過払い金充当合意を認めた最高裁平成19年6月7日判決の中に、「本件各基本契約に基づく債務の弁済は,各貸付けごとに個別的な対応関係をもって行われることが予定されているものではなく,本件各基本契約に基づく借入金の全体に対して行われるものと解されるのであり,充当の対象となるのはこのような全体としての借入金債務であると解することができる」という表現があるためです。
しかし、1個の返済が借入金全体に対する返済であることは、過払い金充当合意の存在の有無を決定する基準のひとつに過ぎません。むしろ、最高裁平成19年2月13日判決では、「貸主と借主との間で、基本契約が締結されているのと同様の貸付けが繰り返されており、第1貸付けの際にも第2の貸付けが想定されていた」場合に、過払い金充当合意の存在を認めています。この点から考えると、カード利用限度額の範囲内で繰り返し金員を借り入れることができる1個の基本契約に基づく取引であって、一つの貸付を行なう際に次の貸付が行なわれることが当然に想定されているのであれば、翌月一括払いの取引についても、過払い金充当合意が認められるべきです。
また、翌月一括払いの取引と回数指定分割払いの取引、リボルビング払いの取引が混在しているときに、全ての取引を一連一体のものとして計算できるかどうかについても争いになることがあります。オリコを被告とする判例が多数存在します。
この点については、あくまでも翌月一括払い、回数指定分割払い、リボ払いというのは単なる支払い方法の選択であって、基本契約は一つであるのだから、一連計算が可能であると考えられます。