2010年11月アーカイブ

金利の上限について

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いわゆる「過払い金」というのは、払い過ぎた利息のことですが、利息が払い過ぎになるのは、利息の上限を超えた金利を設定する金融業者が多かったためです。

利息制限法という法律で、「金銭を目的とする消費貸借における利息の契約」については、上限を超える部分について、無効とすると規定されており、具体的には、その上限は、下記のとおりとなっています。
貸付元本が10万円未満の場合 年20%
貸付元本が10万円以上100万円未満の場合 年18%
貸付元本が100万円以上の場合 年15%
この上限金利を超えたものについて、無効とするというわけです。

この規定は、「金銭を目的とする消費貸借における利息」つまり、貸金に関する利息の上限です。では、他の法律で定められた金利の上限を見てみましょう。

たとえば、消費者契約法という法律があります。この法律は、消費者と事業者との間で締結される契約について適用されます。たとえば、物販債権について、支払いが滞ったときの遅延損害金を定める場合、この法律が適用されます。消費者契約法では、遅延損害金の金利を14.6%に制限しています。

では、サラ金業者も事業者ですから、一般消費者との貸金の契約に関する遅延損害金については、消費者契約法が適用になって、上限が14.6%となるのでしょうか。

これは、14.6%にはなりません。消費者契約法と利息制限法は、一般法と特別法の関係にあり、利息制限法が優先的に適用になります。したがいまして、サラ金業者からの借入に関する遅延損害金については、利息制限法に規定されているとおり、上記利息の上限の1.46倍となり、たとえば50万円の貸付元金の場合で、年18%×1.46で、26.28%が上限となります。
もともと、過払い請求などというものは、一般に知られるようなものではなく、多重債務の解決法のひとつとして、ごく一部の専門家や経験者のみがしるものでした。しかし、最近では、毎日のようにテレビや新聞、雑誌などで過払い請求という言葉を目にします。大手貸金業者武富士の会社更生申請のニュースでも、過払い金の請求の増加が原因として挙げられていました。

これは、法律が変わったのが最も大きな原因です。そもそもグレーゾーン金利というのは、条件さえ満たせば法的に有効となる金利でした。その条件というのは、貸金業法43条に定められた書面要件その他の要件です。この規定を、みなし弁済規定と呼びます。

このみなし弁済が認められる要件は非常に厳しいため、実際にグレーゾーン金利を有効な金利と判断する判例はごく少数でした。それが、さらに厳しくなっていき、平成18年1月13日最高裁判決では、事実上有効と認められる余地がなくなりました。そして、ついに貸金業法が改正され、みなし弁済の規定が撤廃されました。

これにより、過払い金返還が以前よりも容易に行われるようになったのです。

そしてさらに、弁護士等の広告の解禁が、この勢いを加速させました。
従来、弁護士や司法書士の業務は、広告になじまないものとして広告が禁止されていました。しかしこれが、数年前から原則自由化となりました。
以前は禁止されていた、弁護士や司法書士による広告が自由化されたことにより、今のように広告が増え、さらに過払い請求というものを有名にしたのです。

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